8月30日公開『テロ,ライブ』。90分間主人公がスタジオの外に出ないけど凄まじいカット数でスピード感溢れるメディア・エクスプロージョン・スリラー。野心的で攻めの姿勢が素晴らしい。
「チェイサー」「ベルリンファイル」のハ・ジョンウが、電話越しにテロリストとの息詰まる攻防を繰り広げるキャスターに扮したリアルタイム型サスペンス。不祥事を起こし、テレビ局からラジオ局へ左遷された人気アナウンサーのユン・ヨンファは、ラジオ番組の生放送中、正体不明のリスナーからソウル市内の漢江にかかる麻浦大橋を爆破するという脅迫電話を受ける。いたずらだと思い電話を切ると、予告通りに麻浦大橋で爆発事件が発生。相手が本物のテロリストだと確信し、このスクープがテレビ局復帰へのチャンスになるとにらんだヨンファは、犯人との通話の独占生中継を始めるが……。
90分間スタジオの中だけで物語を完結
主人公のキャスター、ユン・ヨンファはテレビのニュース番組の人気キャスターだったけど不祥事を起こしてラジオ局へと左遷されています。そのラジオ局で朝のラジオ番組を担当しています。番組で税制改革について視聴者から意見を乞うといったコーナーに犯人が電話をかけてくるシーンから始まりますが、最後までこのスタジオ内で物語が展開されていきます。挑戦的で危険なプロットだと思いますが、外の情報はテレビ中継映像を用いたり、凄まじいカット数でスピード感を出すなど工夫されていて窮屈に感じませんでした。
犯人の必死さと純粋さ
犯行の目的と要求は、爆破された麻浦大橋の無理な補修工事で作業員が川に転落しますが、政府が当時開催されていたサミットを優先して救出が遅れ命を落とした事故について大統領に謝罪をして欲しいという一点。純粋かつ必死にその一点だけを訴える犯人に主人公のユン・ヨンファキャスターも観客も除々に感情移入していきます。クライマックスに犯人の正体がわかると…。
しっかりと韓国らしさも
その悪人たちに振り回されて迎えるラストが、とてつもなく救いどころないのです。
こういった息苦しくなる余韻を残す作品は大好物です。
VFXのクオリティが高い
(こういうのを見てしまうと日本映画業界は何をやっているんだと思っちゃいますよね…。)
まとめ
割と語り尽くされた感のあるテーマを無謀とも思える手法で焼き直した野心的な作品です。
それを支える韓国映画業界の最新技術もみものです。
是非劇場で見ていただきたい作品です。
『テロ,ライブ』基本情報
タイトル
・テロ,ライブ
原題
・The Terror Live
韓国公開日
・2013年7月31日
日本公開日
・2014年8月30日
リンク
・公式サイト:http://terror-live.com/
監督
・キム・ビョンウ
脚本
・キム・ビョンウ
撮影
・ピョン・ボンソン
美術
・キム・シヨン
音楽
・イ・ジュノ
キャスト
・ハ・ジョンウ
・イ・ギョンヨン
・チョン・ヘジン
・イ・デビッド
・キム・ホンパ
予告編





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